前回は、私たちがすでに引き寄せの法則を無意識に使い、現実を創り続けているというお話をしました。
【第1回】あなたはすでに引き寄せを使っている、願いが叶わない理由は方向のズレだった
今回は、なぜその「引き寄せ」が、時に望まない未来をつくってしまうのか?
その背景にある、脳と潜在意識の性質について深掘りしていきましょう。
ここを理解することで、
「今の自分」がなぜこうなっているのか、
その根本的な理由に光が当たりはじめますよ。
潜在意識は“未知”よりも“過去”を選ぶ
潜在意識とは、心の奥深くにある「自動運転の領域」です。
そこには、過去に経験したことや、繰り返し聞かされてきた言葉、
そして子どものころに植えつけられた信念などが大量に記録されています。
この領域は、未来のゴールを決める際に
「過去のデータベース」から答えを引っ張ってきます。
つまり、自分の理想がどんなに新しいビジョンであっても、
過去にそれと似たような経験がなければ、
潜在意識は「それは危険」と判断し、
結果として“慣れ親しんだ不自由”を未来に設定してしまいます。
心理学者ダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」によると、
人間は“得をすること”よりも“損をしないこと”を優先する傾向があります。
潜在意識も同じで、
「幸せになれるかもしれない新しい未来」よりも
「不満はあっても見慣れている現在」のほうが、
安全だと錯覚してしまうのです。
脳は“予測可能な現実”を好むようにできている
脳の仕組みとして、変化=リスク=ストレスという構造があります。
特に「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれる脳の部位は、
危険や恐怖に敏感で未知の状況に対しては過剰に警戒し、
警報を鳴らすようにできています。
そのため、あなたが
「もっと豊かになりたい」
「今の自分を超えたい」
と思っても、
潜在意識と脳が一致していなければ
変化そのものをブロックしようとしてしまうのです。
これは、あなたがダメなわけでも、能力が足りないわけでもありません。
むしろ“正常に脳が働いている”という証拠でもあります。
けれど、この自動設定に気づかないままでいると、
望まない現実をループのように繰り返し続ける人生になってしまいます。
設定された“予感”こそが未来を決めている
ここで大切な問いを投げかけてみましょう。
「あなたは、未来についてどんな“予感”を抱いていますか?」
この質問に対して、
・なんとなくまた同じような日々が続く気がする
・どうせうまくいかない気がする
・頑張っても結局変わらないのでは?
そんな風に“うっすら思ってしまうこと”こそが、
実はあなたが潜在意識に命令している設定(未来)なのです。
そして、そこに向かって、毎日ごく自然に選択や行動をしてしまっている…
それが現実をつくる「隠れたゴールの力」です。
まとめ ~オート設定から抜け出す鍵~
潜在意識は、あなたが「意識的に」未来を決めない限り、
自動的に過去の記憶や常識を使って、未来を設定し続けます。
つまり「何もしない=過去の続きの人生」になる仕組みが働いているのです。
けれど逆にいえば、意識的に「自分はこうなる」と決めた瞬間から、
オート設定はリセットされ、新たな未来が動き始めます。
哲学者ウィリアム・ジェームズは言いました。
「人間ができる最も大きな発見は、自分の態度を変えることで人生が変わるということだ。」
どんな未来を描き、どんな予感を心に置くのか。
それは今この瞬間のあなたに、すべて委ねられています。
次回【第3回】では、
「どうすれば潜在意識を“理想の未来”に書き換えることができるのか?」
その具体的な方法と日常でできる実践をご紹介していきます。
今回も最後までお読みくださり、本当にありがとうございます。